効果的なサービスブループリントの作成方法とそのメリット・デメリット

今回はサービスブループリントの作成方法についてお話ししましょう。デザインのプロセスにおいて、サービスブループリントは非常に重要なツールです。カスタマージャーニーマップとの違いや、いつ作成するべきなのか、そして作成することで得られるメリットやデメリットについても詳しくご説明します。

目次

サービスブループリントとは

 サービスブループリントは、サービスの提供プロセスを可視化するためのツールです。カスタマージャーニーマップとは異なり、顧客の視点だけでなく、サービス提供者の視点も含めてプロセスを捉えることができます。

この違いにより、より具体的な改善策の発見や、サービスの効率化・品質向上が可能となります。

サービスブループリントの例

サービスブループリントの歴史

 サービスブループリントは、1980年代にジョン・ガフニーとジョー・パインによって提案されました。彼らは、製造業以外のサービス業においてもプロセスと顧客の経験を可視化するためのツールが必要と考え、サービスブループリントの概念を生み出しました。

以来、サービスブループリントはデザイナーやマネージャーの間で広く使用されるようになりました。現在では、さまざまな業界や組織で活用され、サービスの設計と改善における重要なツールとなっています。

サービスブループリントはどのタイミングで作るのか

 サービスブループリントは、新しいサービスの設計や既存サービスの改善、顧客体験の向上など、さまざまな場面で活用することができます。

特に、サービスの提供プロセスに問題があると感じた際や、顧客からのフィードバックが多かった場合には、サービスブループリントの作成が効果的です。

サービスブループリントを作成するメリット

 サービスブループリントの作成には、いくつかのメリットがあります。

サービスの可視化

サービスブループリントは、サービスの全体像を可視化するための優れたツールです。各ステップや関係者の役割を明確にし、サービスの全体的な流れを理解することができます。これにより、改善のポイントや問題の特定が容易になります。

チームのコラボレーション

 サービスブループリントは、チーム内のコラボレーションを促進します。サービス提供者や関係者が一つの図面を通じて情報を共有し、意識を統一することで、チーム全体の効率性を向上させることができます。

問題の特定と改善

 サービスブループリントは、サービス提供者が問題を特定し、改善のためのアイデアを生み出すのに役立ちます。サービスの各ステップや関係者の役割を明確にすることで、問題の原因を特定し、改善策を見つけることができます。

カスタマーエクスペリエンスの向上

 サービスブループリントは、カスタマーエクスペリエンスの向上にも貢献します。カスタマーの視点を含むことで、サービス提供者はカスタマーのニーズや要求を理解し、それに応じた改善策を見つけることができます。

プロセスの効率化

 サービスブループリントは、プロセスの改善と効率化にも役立ちます。サービス提供者は、サービスの各ステップを詳細に分析し、無駄な作業や遅延を特定することができます。これにより、サービスの品質と効率性を向上させることができます。

 以上のように、サービスブループリントの作成には多くのメリットがあります。サービスの可視化やチームのコラボレーションの促進、問題の特定と改善、カスタマーエクスペリエンスの向上、プロセスの効率化など、サービスの設計や改善において重要なツールとなります。是非、活用してみてください。

サービスブループリントを作成するデメリット

 サービスブループリントの作成にはいくつかのデメリットもあります。

時間と労力の投資

 サービスブループリントの作成には時間と労力が必要です。特に複雑なサービスの場合、作成には相応の時間がかかることがあります。

サービスの変化に追従

 サービスブループリントは、サービスの変更に対応するために定期的に更新する必要があります。変更が発生した場合、サービスブループリントの修正や再作成が必要になる場合があります。

カスタマージャーニーマップとの違い

 カスタマージャーニーマップとサービスブループリントは、両方ともサービスデザインのツールですが、目的や視点に違いがあります。

カスタマージャーニーマップは、お客様の視点に基づいて、サービスを体験する過程を可視化します。一方、サービスブループリントは、サービスを提供する側の視点から、サービスのフローやプロセスを明確にします。

サービスブループリントの作り方

作り方

サービスブループリントを作成するためには、以下の手順が一般的に使用されます

1. サービスの全体像を把握するために、関係者とのワークショップを実施します。

2. サービスのフローやプロセスを明確にするために、各ステップやアクションをマッピングします。

サービスブループリントの例

3. サービスの接点や関係者を特定し、それぞれの役割と責任を明確にします。

サービスブループリントの例

4. サービスの問題や改善点を特定し、解決策を提案します。

サービスブループリントの例

5. サービスブループリントを作成し、関係者と共有します。

注意点

サービスブループリントを作成する際には、以下の注意点に気を付けることが重要です。

ユーザーの視点に立つ

 サービスブループリントは、顧客の視点からサービスを捉えるためのツールです。常にユーザーの視点に立って作成することが重要です。

グループで作成する

 サービスブループリントは、複数人で作成することが効果的です。異なる視点からのフィードバックを得ることで、より正確なブループリントを作成することができます。

柔軟性を持たせる

サービスは常に変化するため、作成したサービスブループリントも柔軟性を持たせることが重要です。定期的に見直し、必要な改善を行うことを意識しましょう。

まとめ

サービスブループリントは、デザイナーがサービスの設計や改善に役立てるためのツールです。カスタマージャーニーマップとは異なり、サービスのプロセスと顧客の経験を可視化することに焦点を当てています。サービスブループリントは、サービスの設計段階や改善プロセスにおいて作成され、問題点の特定や共通の理解を深めることができます。しかし、作成には時間と労力がかかるため、注意が必要です。サービスブループリントは、1980年代に提案され、現在では広く使用されています。

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この記事を書いた人

新卒4年目です。spring boot, jquery, vue を使ってフロントエンド開発、quarkus、azure kubernetesを使ってバックエンドを作ってました。 今は、UXデザイナーを目指して勉強中です! よろしくお願いします。

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