How Might We を使った機械発見の方法を具体例を交えて解説

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機会発見とは

機会とは、新しい事業や、プロダクトの可能性がある領域、新しい機能の可能性や、改善すべきポイントなど。

例えば、「子供が扱いやすいスマホ」「薬」などは一つの機会で、「簡単に商品を買うことができるようにする」なども機会である。

ただし、機会であればなんでもいいかというとそうではなくて、その機会に対して新しい意味のあるソリューションを生み出せるような類のものである必要がある。

この機会を定義する方法の一つに、HowMightWeがある。

HowMightWe

HowMightWeとはアイディアを出すための発射台のようなものである。

「どうすれば我々は〇〇できそうだろうか?」のような質問形式で表現される文章のことである。

2000年代にデザインファームのIDEOが使い始めたといわれているが、現在では世界中のデザインファームで使用されているテクニックの一つである。

アイデアを出すときに重要なのは、いかに良い問いを設定するかであるが、例えば、次のような課題だと問いがざっくりしすぎて、どのようなアイディアを出せばよいかわからない。

おそらく、何らかのニーズに基づいて、この問いが設定されたものだと推測されるが、そもそも何らかの課題があってこのような問いが与えられたのか、あるいは特に現状不満があるわけではないがもっとよくしたいという思いから相談されるに至ったのか、あるいは現状の課題探しからしてほしいということなのか、そもそもどのような状態であればユーザーにとって有益なのかすら不明である。

「地元の国際空港の地上での体験をデザインする」

この文章を見たとき、おそらくアイディエーションに参加する人それぞれが異なるイメージを持つ。

人によってはチェックインカウンターでの体験をイメージするだろうし、免税店ので買い物について思い浮かべる人もいるだろう。

会員制ラウンジでコーヒーを飲みながら搭乗をまつシーンを思い浮かべる人もいれば、そもそも搭乗前ではなく、着陸後の体験を思い浮かべる人もいるかもしれない。

そこで、もう少し問いを明確にする必要があるが、これでもやはり様々な解決の方向性がある。

「子供を連れた母親は空港のゲートで待っている間、子供たちを退屈させないように楽しませる必要がある。なぜなら子供たちが騒いでほかの乗客をイライラさせることがあるから。」

このような課題を解けるするためのアイディエーションに取り組むと、おそらく様々なアイディアを得ることができるだろう。

しかし、解けるしようとするアプローチは多岐にわたることが予想される。

あるアイディアは子供たちのエネルギーをほかの乗客を楽しませるために使うことを提案するかもしれないし、ほかのアイディアでは子供たちをゲートから遠ざける方法を提案するかもしれない。

また、ほかのアイディアでは、そもそも子供たちにとって待ち時間を楽しいものにする方法を提案するかもしれない。

さまざまなアプローチが提案されることは決して悪いことではない。

しかし、幅広いアプローチからのアイディアは多くの場合、浅い、抽象的なアイディアになってしまうことが多い。

「子供たちのエネルギーをほかの乗客を楽しませるために使う」といいう提案があったとして、これは課題に対するアプローチとしてはよいかもしれないが、抽象的なアイディアである、実際にどのような施策に落とし込めばよいかさらなる検討が必要になってしまう。

そのため、課題に対するアプローチ、つまり解決の方向性を制限し、その分野に集中して様々なアイディアを出していくわけだが、この解決したい課題とアプローチをひとの文章にしたものが HowMightWe である。

HowMightWe の例

空港に関するデザインプロジェクトを例に、どのような HowMightWe があり得るのかを考えてみる。

このような依頼を受けるとデザイナーたちは空港に出かけて利用者の様子を観察したり、利用者にインタビューを行うなどして、空港がもつ課題を洗いだす。

その結果、下記のような課題を見つけ、これに対して解決試みることになるだろう。ちなみに、下記のような問題的をPoinntofView(着眼点)と呼ぶ。

「子供を連れた母親は空港のゲートで待っている間、子供たちを退屈させないように楽しませる必要がある。なぜなら子供たちは大声をだしだり、走り回ったりして、ほかの乗客をイライラさせることがあるためである。」

HowMightWe の基本的な構成

HowMightMe は、対象となるユーザー、ゴール、制約から構成され、「どのようにすれば私たちは【対象となるユーザー】にために【制約】を考慮しながら【ゴール】を提供できそうか」のような文章になる。【】の中に入る文章によって、前後の文を多少変わる。

1.良い面をのばす:我々はどうすれば、子供たちのエネルギーをほかの乗客を楽しませることに使えそうか」

2.悪い面を除去する:我々はどうすれば、子供たちをほかの乗客から分離できそうか

3.反対を探す:我々はどうすれば、待ち時間を旅の楽しみに変えられるだろうか

4.そもそもの質問:我々はどうすれば空港での待ち時間をなくすことができそうか

5.形容詞で考える:我々はどうすれば待ち時間を苦し時間から心地よい時間に変えることができそうか

6.ほかのリソースを活用する:我々はどうすれば他の乗客の自由時間を活用することができそうだろうか

7.ニーズやコンテクストから転送する:我々はどうすれば空港を遊び場のようにできそうだろうか

8.原因の立場になって考える:我々はどうすれば空港を子供たちが楽しめる場所に変えることができそうだろうか

9.現状を変更する:我々はどうすれば子供たちをおとなしくさせることができそうだろうか

10.問題を分割する:「我々はどうすれば子供たちを楽しませることができそうだろうか」「我々はどうすれば母親を焦らさずに済みそうだろうか」「我々はどうすれば他の乗客を安心させることができそうだろうか」

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この記事を書いた人

新卒4年目です。spring boot, jquery, vue を使ってフロントエンド開発、quarkus、azure kubernetesを使ってバックエンドを作ってました。 今は、UXデザイナーを目指して勉強中です! よろしくお願いします。

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