背景
Reactでは、コンポーネント内で状態管理や副作用の処理を行うためにReact Hooksが使用されます。しかし、間違った使い方をすると、”React Hook “” is called conditionally. React Hooks must be called in the exact same order in every component render” というエラーが発生することがあります。このエラーは初心者から経験者まで広く遭遇するもので、正しい使い方を理解することが重要です。
エラーが発生した前提情報
- 使用フレームワーク: React
- 使用するHook:
useState
,useEffect
,useContext
など - 条件分岐が含まれるコンポーネント
エラーが発生した実際のソースコード
import React, { useState } from 'react';
function ExampleComponent({ isLoggedIn }) {
if (isLoggedIn) {
const [user, setUser] = useState('Guest');
return <div>Welcome, {user}!</div>;
}
return <div>Please log in.</div>;
}
エラーが発生した原因
上記のコードでは、useState
が if (isLoggedIn)
の条件内で呼び出されています。React Hooksはコンポーネントの最上位で、常に同じ順序で呼び出す必要があります。このルールを破ると、レンダーのたびに異なる状態になる可能性があるため、Reactはエラーをスローします。
React Hooksの仕様の説明
ReactのHooksには特定の呼び出しルールが存在します。これには重要な理由があり、Reactのレンダリングと状態管理の仕組みに深く関わっています。
なぜReact Hooksに順序の制約があるのか?
ReactはHooksの呼び出し順序に基づいて状態を管理しています。各レンダリングで、Reactはコンポーネント内のHooksがどのように呼び出されるかを記録し、それに基づいて内部的な状態や副作用を追跡します。もし呼び出し順序が変わると、Reactは状態の割り当て先を正しく認識できず、予期しないバグが発生します。
React Hooksの呼び出しルール
- 最上位で呼び出す: ループ、条件分岐、ネストされた関数内で呼び出してはいけません。これにより、各レンダーで呼び出し順序が一定に保たれます。
- React関数内で呼び出す: Hooksはコンポーネント関数またはカスタムHook内でのみ使用できます。通常のJavaScript関数内で呼び出すと、状態管理が正しく動作しません。
このルールの重要性
これらのルールに従うことで、Reactはコンポーネントの状態と副作用を効率的かつ正確に管理できます。状態の管理や再レンダリングの際に起こりうる混乱を防ぐため、Hooksの呼び出し順序を守ることは極めて重要です。
エラーを回避する方法
エラーを避けるために、条件分岐の外でHookを呼び出すように修正します。
import React, { useState } from 'react';
function ExampleComponent({ isLoggedIn }) {
const [user, setUser] = useState('Guest');
if (isLoggedIn) {
return <div>Welcome, {user}!</div>;
}
return <div>Please log in.</div>;
}
このように修正すれば、useState
は常に同じ順序で呼び出されるため、エラーは発生しません。
まとめ
React Hooksを正しく使用するためには、Hooksの呼び出しルールを守ることが重要です。特に、条件分岐内での呼び出しは避け、コンポーネントの最上位で常に同じ順序で呼び出すように心掛けましょう。
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