色を見るのに必要な要素
照明とは、物や場所に光を当てて明るくすることで、光を発するものを光源、光源からの光を照明光と呼ぶ。
照明光は大きく自然光(太陽光)と白熱電球・蛍光ランプなどの人工光にわかれ、照明によって色の見え方も大きく異なる。
昼光(太陽光)
すべての波長域で成分がほぼ均等に含まれているため、色が最も自然に見える。
白熱電球
黄色~赤色にかけての長波長の成分が多いため、全体に黄み~赤みがかって見える。
蛍光ランプ(昼光色)
短~中波長に比べて長波長の成分が少ないため、全体に少し青みがかって見える。
LED(白色)
青色光と、中~長波長の光が含まれているため、白色の蛍光ランプとほぼ同じか、より鮮やかに見える。
混色とは
2色以上の色を混ぜ合わせて別の色を作ることを混色と呼ぶ。
混色には大きく分けて、加法混色と、減法混色があり、加法混色はさらに三つに分かれる。
加法混色
同時加法混色
2つ以上の色のついた色光を重ねると、重なった部分はより明るい別の色となる。
これを同時加法混色と呼び、R(赤)、G(緑)、B(青)の三色は加法混色の三原色と呼ばれる。
C(シアン)+ R(レッド)、M(マゼンタ)+ G(グリーン)、Y(イエロー)+ B(ブルー)の組み合わせは、それぞれ白を作ることができる。このように無彩色を作ることができる2色を補色と呼ぶ。
併置加法混色
小さな色の点を高密度で並べると、色が混ざったり重なったりしていなくても、眼で見分けることができずに、網膜上で混色され、混ざった色を認識する。
これを併置加法混色と呼び、モザイク画や点描画などにも活用されている。
継時加法混色
複数の色で塗り分けられた円板を高速で回転させると、塗り分けられた色が混ざって現れ、回転混色と呼ぶ。
本来はそれぞれの色を交替でみているはずだが、回転が速すぎて眼で見分けられないためにおこる混色です。
この現象を継時加法混色と呼ぶ
減法混色
2枚以上の色のついたフィルターを重ねると重なった部分はもとの色より暗い、別の色になる。
これを減法混色と呼び、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の三色を減法混色の三原色と呼ばれ、すべて混色すると黒色になる。
B(ブルー)+ Y(イエロー)、G(グリーン)+ M(マゼンタ)、R(レッド)+ C(シアン)のように二色重ねることで黒になるこの二つの色を減法混色の補色と呼ぶ。
身近にある混色の例
染色、織物(減法混色・併置加法混色)
染料による染色は減法混色となるが、経糸と緯糸で違う色を使ったり、複数の色の糸を織り交ぜると併置加法混色となる。
絵具(減法混色・併置加法混色)
絵の具は基本的に混ぜ合わせると色が暗くなる減法混色である。
しかし、絵具の顔料の粒が不規則に並んだ併置加法混色が生じている。
カラーモニタ(併置加法混色)
テレビやPCのカラーモニタの画面上には、加法混色の三原色であるRGBの色点が細かく並び、この色点の明るさを調整することで、様々な色を表現している。これは併置加法混色が用いられている。
カラー印刷(減法混色・併置加法混色)
カラー印刷も、網点(どっと)と呼ばれる小さな色点の大きさや配置によってさまざまな色を表現している。減法混色の三原色(CMY)とBk(黒)、それらの減法混色によってできたRGB、さらに、インクののっていない紙の白を合わせた8色が密に並ぶことにより、減法混色と併置加法混色が併用されている。
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